よく遺産という言葉を耳にします。親や夫(妻)などが亡くなった時に、残された人のために残してくれた財産、ということは何となくわかるのですが、法律的に正確に言うとどのような意味なのでしょうか?相続の対象となる財産(相続財産)だという理解で問題ないのでしょうか?

遺産と相続財産はほとんど同じ意味であり、遺産=相続財産だと考えて基本的に問題ありませんが、両者の中身が完全に一致するわけではありません。
(1)まず、相続の対象になる財産(相続財産)から説明します。
民法896条本文は、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」と定めています。したがって、死亡した被相続人が有していた財産は、土地や建物所有権などの物権、銀行預金などの債権、特許権や著作権などの知的財産権も含めて、全てが相続の対象、相続財産に含まれます。また、「一切の・・・義務を承継する」とされていることから、死亡した被相続人が有していた借入金などの債務も、相続の対象になります。借金も相続財産に含まれるということは、相続放棄(民法939条)をするか否かの判断において、重要な意味を持ちます。
ただし、民法896条ただし書きは、「被相続人の一身に専属したものは、この限りではない」として例外を定めており、被相続人の権利義務のうち、被相続人のみに帰属するべきだと考えられるものは相続の対象にはなりません。たとえば、離婚した妻(子供なし)が夫に対して有する財産分与請求権は、妻に専属すべき権利であって、妻が死亡したからといって、その両親が相続することはできません(審判等により具体的内容が定まり、妻がそれを行使する意思を示した後に死亡した場合は別論)。家族間の扶養料請求権も同様です。したがって、死亡時に被相続人が有していた権利でも、そうした権利は、例外的に相続財産には含まれません。
(2)これに対して、民法典上、遺産という言葉は、遺産分割(民法906条以下)の対象となる財産を指す意味で用いられています。ここで遺産分割とは、相続人が複数いる場合に、その間で相続財産をどのように分けるのかを決める手続きです。つまり遺産分割の対象は相続財産ですので、遺産は基本的に相続財産を意味することになります。
それにもかかわらず遺産と相続財産が区別されるのは、相続財産の中に、遺産分割の対象にならないものが存在するからです。代表例が、預金債権などの金銭債権、及び借入金債務などの金銭債務です。これらの権利義務は、遺産分割手続きを経るまでもなく、各相続人が相続分に応じ分割して取得することになります(金銭債権について最高裁昭和29年4月8日判決、金銭債務について最高裁昭和34年6月19日判決。たとえば被相続人である父の預金債権が900万円あって、相続人が子供3人だった場合、それぞれの相続分は等しく3分の1なので、各相続人は900万円の3分の1の300万円ずつ取得します)。こうした財産は、不動産などを分割する場合のように、誰がどの部分を取得するべきかについて難しい問題が生じないので、わざわざ遺産分割手続きを経るまでもなく、法定の相続分通りに分割承継させればよいだろうと考えられているためです(可分債権・可分債務)。
(3)このように、法律的に正確に言うと、相続財産と遺産は内容が微妙にずれます。しかし、遺産と相続財産は、一部の例外を除いて同じ内容なので、遺産=相続財産だという理解で、多くの場合は問題ありません。

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